GNSS測量

GNSS測量

GNSS測量は、現代の測量・建設業務に欠かせない技術であり、衛星からの信号を利用して、地球上の位置を正確に測定することができます。
GNSSとは、Global Navigation Satellite Systemの略で、GPS、GLONASS、Galileo、や最近ではBeiDou、みちびきなどの衛星測位システムを利用しています。
GNSS測量には、高精度の位置情報を取得できる、短時間で広範囲の測量が可能で、測量コストを削減できる、人為的なミスを減らすことができるなどのメリットがあります。

GNSS測量の特徴は、その高い精度とリアルタイム性にあります。
GNSS測量では、数メートル単位の精度で位置情報を取得することができ、
これは従来の測量方法に比べて非常に高い精度です。
また、GNSS測量は、リアルタイムで位置情報を取得することができるため、
測量作業の効率化にもつながります。


測量の精度と効率が向上することは、
建設工事やそれらを構成する土地測量で、品質を大幅に向上することにつながります。
また、GNSS測量は、ドローンや重機へ搭載してシステム制御することで、
これまでに不可能だった作業の自動化と品質の向上をどちらも実現することができます。
エネルギー消費や排出ガスの削減ができます。
GNSSを使用した測量技術は、近年GNSS測量に留まらず、様々な業種で活用
されるようになっています。
近代の測量作業の信頼性向上に大きく貢献しています。

建設工事

土地の形状や高低差を正確に把握することが求められます。
GNSS測量を行うことで建物の設計や施工に必要な高精度な情報を得ることができます。
また、GNSSを使用することで、建設機械の位置情報をリアルタイムで把握することができ、工事の効率化や安全性の向上につながります。
i-constructionやICTではGNSSは欠かせないツールです。

農業

農作物の生育状況を把握することができます。
GNSSを使用することで、農作物の収穫量や農地面積を正確に測定することができ、農作物の成長を把握する際や、農作物の収穫量の計算にも役立ちます。
また、ICT農業をはじめとしたGNSSを利用した自動運転技術により、農機の運転を効率化することができます。

活用事例

土地測量

土地の境界を正確に測定する測量にもGNSS測量が使用されています。
土地の売買や登記に必要な位置情報を高精度で提供することができます。
GNSS測量を使用することで、土地の形状や面積を正確に測定することができるため、土地利用計画の立案や土地開発のための情報収集に役立ちます。

災害時

被災地の正確な位置情報を把握することができます。
これにより救助隊が迅速に被災者を発見し、救助活動を行うことができます。
また、GNSS測量を使用することで、災害後の復旧作業に必要な情報を収集することができます。
例えば、GNSS測量を使用して、土砂崩れや洪水などの災害によって変化した地形を正確に測定することができれば、復興の大きな助けになります。

GNSS測量の種類

GNSS測量には、主に以下の4つの方法があります。

単独測位

GNSS受信機を1台使用し、GNSS衛星からの信号を受信して位置を算出する方法です。
この方法では、衛星からの信号を受信するアンテナが1つであるため、
位置精度は約10m程度となります。
単独測位は、船舶や航空機の航行、自動車のナビゲーションなどに利用されています。

相対測位

GNSS受信機を2台以上使用し、同時にGNSS衛星からの信号を受信して位置を算出する方法です。
この方法では、複数の受信機が同じ衛星からの信号を受信することで、
衛星の位置誤差や電離層遅延などの誤差を補正することができます。
相対測位の精度は、数cm程度となります。
この方法は、測量や地図作成などに利用されています。

DGPS測位、RTK-GPS測位

既知の位置を持つ基準局からの補正情報を利用して位置を算出する方法です。
DGPS測位では、基準局と観測点の両方でGNSS観測を行い、
基準局の位置情報をもとに観測点の位置を補正します。
RTK-GPS測位では、基準局と観測点の両方でGNSS観測を行い、
リアルタイムで補正情報を送信して観測点の位置を算出します。
これらの方法では、数m程度の精度で位置を算出することができます。
この方法は、測量や建設工事などに利用されています。

ネットワーク型RTK-GPS測位

ネットワーク型RTK-GPS測位は、複数の電子基準点を利用して、
リアルタイムに補正情報を生成し、それをもとに位置を算出する方法です。
この方法では、複数の電子基準点からのデータを利用することで、
長距離の基線においても高精度な位置情報を得ることができます。
ネットワーク型RTK-GPS測位の精度は、数cm程度となります。
この方法は、測量や地図作成などに利用されています。

GNSS測量における誤差要因

GNSS測量には、衛星信号の受信、位置計算、誤差の補正など、さまざまな技術的要素が関わっています。

1.衛星信号の伝搬遅延

衛星信号は、大気や電離層の影響を受けて、伝搬遅延が生じることがあります。
静止衛星の場合、信号が片道で約0.12秒かかり、往復で約0.24秒(240ミリ秒)の遅延が発生します。
この誤差を補正するために、GNSS受信機には、衛星信号の伝搬遅延を推定するためのアルゴリズムが搭載されています。
静止衛星を利用した通信は距離が長いため、遅延が大きくなります。そこで、低軌道衛星(LEO)や中軌道衛星(MEO)を活用することが有効です。
LEO衛星は地球に近いため、通信遅延を大幅に減少させることができます。
また、近年はLEO衛星のコンステレーション(複数の衛星を一緒に使う)を使って、通信品質を高める試みが行われています。

2.GNSS受信機の時計誤差

GNSS受信機の時計は、衛星からの信号を受信することで、正確な時刻を取得します。
しかし、受信機の時計には、わずかな誤差が生じることがあります。この誤差は、衛星信号の受信時刻に影響を与え、位置計算の精度に誤差を生じさせる要因となります。
この誤差を補正するために、GNSS受信機には、受信機の時計を正確に調整するためのアルゴリズムが搭載されています。
例えば、GNSS受信機は、複数の衛星からの信号を受信し、その受信時刻を比較することで、時計誤差を推定し、位置計算に反映させることができます。

3.GNSS受信機の位置による誤差

GNSS受信機の位置によっても、誤差が生じることがあります。
例えば、都市部ではマルチパスが発生することや山間部の樹木など、衛星からの信号が受信しにくい場所では、位置計算の精度が低下することがあります。
このような場合には、GNSS受信機を複数の場所に設置し、それぞれの位置を比較することで、位置の補正を行うことができます。
また、GNSS受信機の位置による誤差を補正するために、地形や建物などの障害物の影響を考慮したアルゴリズムが使用されることもあります。

GNSS測量の精度に影響を与える要因

GNSS測量の精度は、衛星の配置、信号の質、大気の状態、受信機の性能、および障害物の存在など、さまざまな要因に影響されます。

衛星の配置

GNSS測量では、複数の衛星からの信号を受信して位置を計算します。
そのため、衛星の配置が悪いと、信号の受信数が減少し、位置情報の精度が低下する可能性があります。
特に、都市部では高層ビルなどの障害物によって衛星からの信号が遮られることがあります。

信号の質

GNSS信号は、大気の状態や他の電子機器からの干渉によって影響を受けることがあります。
信号が弱い場合や干渉を受ける場合、位置情報の精度が低下する可能性があります。

大気の状態

大気の状態がGNSS測量の精度に影響を与えます。
特に、電離層や対流層の状態が悪いと、信号の遅延や屈折が発生し、位置情報の精度が低下する可能性があります。

受信機の性能

GNSS受信機の性能も、位置情報の精度に影響を与えます。
高性能な受信機は、より多くの衛星からの信号を受信し、信号の処理をより正確に行うことができます。

障害物の存在

障害物の存在も、GNSS測量の精度に影響を与えます。
特に、都市部では高層ビルや樹木などの障害物によって、GNSS信号が遮られることがあります。

測量・建設業界における3次元計測の重要性

近年、測量会社、建設会社、土地家屋調査士の皆様にとって、3次元計測技術の導入が欠かせないものとなっています。
従来の2次元測量だけでは、複雑な地形や構造物の詳細な把握が困難であり、設計や施工の精度に影響を与えかねません。
そこで、3次元計測技術の活用が業界で広がりを見せています。

3次元計測は、レーザースキャナーや写真測量、ドローンなどを用いて対象物の形状や位置を高精度で取得する技術です。
この技術を用いることで、測量の効率化と精度向上が図れます。

例えば、広大な敷地や複雑な地形の測量にも短時間で対応でき、取得したデータを基に正確な3次元モデルを作成することが可能です。

また、建設現場においては、3次元計測で得られたデータを基に、BIMやCIMと連携させることで、設計や施工の最適化を図ることができます。
施工シミュレーションや干渉チェックなどを事前に行うことで、手戻りを減らし、工期短縮とコスト削減に繋がります。

土地家屋調査士などの業務においても、3次元計測技術は大きな役割を果たします。
境界や地盤の状況を詳細に把握することで、正確な測量図面の作成や土地の有効活用の提案が可能となります。

APEX株式会社では、測量会社、建設会社、土地家屋調査士などの業界ニーズに応じた3次元計測ソリューションを提供しております。
最新のGNSS計測機器と解析ソフトウェアを用いて、高品質な3次元データを迅速に提供いたします。
また、専門の技術者による技術サポートも充実しておりますので、安心して3次元計測技術を導入いただけます。

測量・建設業界の発展に欠かせない3次元計測技術
その導入により、業務の効率化と高度化を実現し、業務効率化によるビジネス機会を創出します。
APEX株式会社は、DX社会において最新技術を駆使して事業を協力にサポートいたします。