月刊【Routes(ルーツ)】 最新号(2024年1月号) 特集記事: 問題視される”パピーミル” 問い直されるペット産業の在り方 ピックアップ記事: ・環境に配慮した投資手段 グリーンボンド ・8050問題 引きこもり問題の長期化が招く、深刻な経済的困窮 ・時代を読み解く名勝負 東宝 VS 東映 ・The Call of Muse. 国立西洋美術館 ・映画評 「ニューヨーク・オールド・アパートメント」 「ミツバチと私」
■下戸優輔(シモト ユウスケ)APEX株式会社 創業者/ CEO
プロフィール学生時代に90’sのカリフォルニアの音楽に強い影響を受けデジタル音源の作曲活動にひたすら没頭、卒業後に大手音響メーカーに就職し、そこでデジタル製品技術に対するエンジニアの思いや仕事に取り組む姿勢に影響を受け、技術で表現することへの興味から働きながら独学でIT知識を積み重ね、ソーシャルゲームプラットフォームを作り中国山東省に渡りサービスの運用を開始する。2年間で国内登録者数120万人を獲得する。その後、ビジネスレベルをより高めるための挑戦を求め、ドローンのスタートアップに入社、ハードウェアとソフトウェアの事業責任者を兼任三次元データの優位性と将来性に注目し、業界の全ての人々の膨大な作業時間を削減するためAPEX株式会社を設立してSimple-Pointの制作を開始する。
私たちはドローンやLidar、AIによる技術革新を通じて社会の問題解決に取り組むという重要な使命を担っています。APEXのビジョンは、先進的なドローン技術と3D解析の能力を組み合わせることで、従来は不可能だった課題に対処し、より良い未来を築くことです。特にAPEXで開発している3D解析プラットフォームは、都市計画やインフラ整備において革新的な変化をもたらします。精密な3Dデータを利用して、より効率的かつ環境に配慮した都市計画や開発が可能になります。また、既存のインフラのメンテナンスと更新においても、高度なデータ解析技術を通じてコスト削減と持続可能性を両立させることができます。このような技術的進歩は、社会に新たな価値をもたらすだけでなく、持続可能な発展に寄与します。私たちは、イノベーションを通じて、より良い世界を創造するために努力を続けていきます。この目標は、単に技術を提供することではなく、それを通じて社会に実質的な変化をもたらすことです。未来を形作るその責任を全うするため、専門的なハードウェア、システム開発など様々なテクノロジーの実証実験や開発、運用を日々行っています。
シンプルポイント「Simple-Point」は点群解析を自動化するAPEXが最初に制作したマルチプラットフォームです。ドローンが急速に普及する中、これまでの2次元的な写真や図面データから三次元の点群データがこれまで以上に注目を浴びることとなります。三次元データ活用で、ユーザーは物体や環境をより詳細かつ包括的に理解できるようになり建築、土木工学、製品設計などのあらゆる分野で、3Dモデリングが視覚性とオブジェクトの詳細な理解を深め、設計の正確性と効率を劇的に向上させています。この3D技術の進展に伴い、今後は特にバーチャルリアリティ(VR)、拡張現実(AR)3Dプリンティングへの発展が見込まれています。これらの技術は、多岐にわたる分野で応用され、市場は持続的な成長を遂げています。
建設・土木業界において3Dデータは、その高度な表現力と応用範囲の広さにより、2Dデータを凌駕する存在となっています。そして、この技術の進歩と普及は、将来のAR/VR、AIの普及により今後も最も大きな革新をもたらし、市場の成長を加速させる土台を形作っています。しかし同時に、その複雑さと要求される精度の高さから、非常に過酷な作業として認識されています。特に建設・土木業界における点群解析作業は長時間労働が問題となっており、有益な3Dデータ活用が進まない原因の一つとも言われています。 点群データは、レーザースキャナーや、時には写真データなどから収集された数億点、場合によっては数十億の座標値(XYZ座標)の集合体であり、これを用いて物理的な環境の高精度なデジタルモデルを作成します。このような膨大なデータを複雑に解析するためには現在市場に存在する最も優れたPCが必要であり、複雑な形状を理解する専門的な知識と、何よりも膨大な解析時間を費やしてデータを整えていくことが前提となります。そのため点群解析は土木業界において技術的かつ物理的に要求の高い作業となっています。しかし、この過酷な作業を通じて得られる詳細かつ正確なデータは、土木プロジェクトの効率性、安全性、持続可能性を大きく向上させるため、その価値は計り知れないものがあるため今後ますます活用が一般的になっていくことが予想されます。
シンプルポイント「Simple-Point」はクラウド型のプラットフォームサービスとして、点群解析のプロセスを大幅に改善し、自動化することで、土木・建設業界における作業の効率性と精度を革新的に向上させます。このサービスは、ユーザーが点群データをリモートサーバーにアップロードし、解析の依頼をすることでユーザーは解析にかかる膨大な作業時間から開放されます。更にデータ品質はベテランの技術者が現場毎のニーズをヒアリングし、会話ができる「チャット機能」を搭載しており、元データ品質のフィードバックにより専門的な知識を共有することもできるようになっています。依頼できるデータは2D/3Dどちらもシームレスなため納品するためのデータを一貫して依頼することができます。
■APEX株式会社について 2021年創業、3Dデータ、ロボット分野のスタートアップとして、ドローン/GNSS/Lidar/SLAM等の機能検証とそれらを活用した計測、実証実験(2D/3Dデータ活用)を展開。インフラ点検への測量技術の応用、森林計測、構造物の3D化と各産業への活用業務を全国で実施。産業ごとに必要なデータ取得プロセスとデータ解析を得意とし、膨大なGISデータを元にAI学習開発をスタート。ドローンからの写真や点群データ解析を自動化するための三次元データ解析プラットフォーム「Simple-Point」を2022年リリース。 AI前提社会の各産業に特化したデータ取得、解析までを一貫した3Dデータを主とした研究開発を行っています。産業向けデータでこれまでの産業全てを変革し、「あらゆるデータ取得と解析を自動化してデータ活用作業の自動化」の実現を目指しています。